マウスピース矯正(インビザライン)の治療中に歯の揺れが気になる方はいらっしゃいませんか。
矯正中とはいえ、自分の歯がグラグラ揺れていると心配になる方もいらっしゃると思います。
マウスピース矯正治療中に歯の揺れが気になった時はどうすればよいのでしょうか。
矯正で歯が動く仕組みと、揺れが起こった時の対処法について解説します。
目次
■マウスピース矯正やで歯が動く仕組みとは
◎鍵は歯根膜
矯正で歯が動く仕組みとして、鍵は歯根膜にあります。
歯根膜が押されると押された側の歯槽骨が吸収を始めます。
反対に引っ張られた方では、歯槽骨が作られ始めます。
そのため骨の吸収と造成が繰り返され、動かしたい方向に歯が動いていくという仕組みです。
この吸収と造成は歯根膜に力が加わることで起こるため、歯槽骨と直接結合しているインプラントでは、いくら力を加えても歯槽骨の吸収と造成は起こりません。
そのため、インプラントを矯正治療で動かすことはできません。
◎治療後2〜3ヶ月で安定
歯は、動かし始めの時は大きく揺れますが、基本的に移動が終わると揺れなくなります。
保定期間に入り、2〜3ヶ月が経てばほとんどの場合安定してくるでしょう。
またマウスピースの交換時においても、交換した直後が一番大きく揺れ、移動が進むことによって徐々に揺れがおさまってくることが多いです。
◎食事時に外す時も
また一日のうちでは、食事時にマウスピースを外した時、揺れを感じて驚く方もいらっしゃいます。
マウスピースをしていると歯に支えがある状態のため、揺れがあっても気づかないことも多いのですが、外す時は全ての支えを失っている状態になりますので、驚いてしまう方もいらっしゃるようです。
しかし歯の動揺が気になるからといって、マウスピースをつけたまま食事をすることはできませんので注意が必要です。
■揺れが気になる時はこんな対策を
◎固いものなど食べない
マウスピース矯正に限らず、矯正期間中は固いものを食べるのは控えた方が良いでしょう。
消化にも良く、あまり強くかむ必要のないものをおすすめします。
氷などのそれ自体が固いものだけでなく、するめやかみごたえのあるパンなども、歯にはダメージとなることがあります。
◎マウスピースを外した時に触ったりしない
マウスピースが外した時、指や舌などで気になってやたらと触ってしまうと、炎症などを起こしてしまう可能性も無いとはいえません。
気になっても触らないようにしましょう。
■こんな時は歯科医院へ
◎急に揺れが大きくなった
普段と違い、急に歯の揺れが大きくなった場合は、何らかの異常が起こっている可能性があります
歯科医院にすぐ相談しましょう。
◎生活に支障がある痛みがともなう
食事を全く摂れない、痛みで全く眠れないなど、生活に支障がある痛みが出た場合は、すぐ相談しましょう。
矯正による揺れ以外の、何らかの異常が起こっている可能性があります。
また食事がとれないと、全身の健康によくない影響が起こる可能性があります。
◎出血などの異常
歯肉に傷があったり、歯と歯肉の間からの出血が止まらなかったりという場合は、歯科医に相談する必要があります。
【動揺のほとんどは心配のないもの】
矯正中に起こる動揺のほとんどが、心配のないものです。
しかし歯科医に相談したほうが良いタイミングもあります。
そのタイミングを患者様ご自身で見極めるのが難しいときは、歯科医院に連絡し歯科医師の指示を仰ぎましょう。
歯の位置が安定し保定期間に入れば、歯の動揺は治り、生理的な動揺のみとなることがほとんどです。
この期間を乗り越え、きれいな歯並びを手に入れましょう。