ワイヤー矯正を併用する理由とケース

BLOG ブログ

ワイヤー矯正を併用する理由とケース



インビザラインは優れた治療法ですが、ワイヤー矯正(ブラケット矯正)と比べると歯にかける力がマイルドです。歯並びの乱れ方によってはインビザラインのみでは治療に適さないケースがあります。

インビザラインのみでは歯並びを治すのがむずかしい場合は、ワイヤー矯正を併用して治療を進めることがあります。

今回は「インビザラインでワイヤー矯正を併用する理由と代表的な併用ケース」についてご説明します。

■インビザラインでワイヤー矯正を併用する理由

歯を大きく動かしたい場合はワイヤー矯正を併用することが多い

インビザラインはマウスピースで少しずつ歯を動かす矯正方法です。歯にかける力がマイルドなため、以下のようなケースではワイヤー矯正とインビザラインを併用して治療を進めることがあります。

[インビザラインでワイヤー矯正を併用する代表的なケース]

・抜歯矯正
・歯を大きく動かしたい場合(大きな圧下・挺出・回転など)
・歯(歯冠)が短く、力をかけにくい場合
・治療計画が思い通りに進まず、修正や追加治療を行う場合

・抜歯矯正

抜歯矯正では抜歯を行い、空いたスペース分、歯を大きく移動させます。インビザラインは「歯を大きく平行移動させる」のが苦手です。

出っ歯や受け口、叢生の治療で抜歯矯正を行う場合には、最初にワイヤー矯正で歯を大きく動かしたあと、インビザラインで微調整をするケースがあります。

・歯を大きく動かしたい場合(大きな圧下・挺出・回転など)

矯正治療では、症状に応じて以下の歯の移動を行うことがあります。

・歯を歯ぐき側に押し下げる「圧下(あっか)」
・歯を舌側に引っ張り出す「挺出(ていしゅつ)」
・歯を回転させる「回転(かいてん)」

これらの動きは、アタッチメントを歯に着けることでインビザラインでも行えます。ただし、マウスピースで上記の動きを行える歯の移動量には限りがあります。

歯を大きく押し下げたい・引っ張り出したい・回転させたいときには、これらの動きを行えるワイヤー矯正で治療を進めることがあります。

・歯(歯冠)が短く、力をかけにくい場合

インビザラインは短い歯(歯ぐきから上の歯冠部分が短い歯)を移動させるのが苦手です。歯冠が短いとマウスピースを着けても力をかけにくく、効率的に矯正を行えないケースがあります。

歯冠が短く、インビザラインのみでは治療がむずかしいケースでは、ワイヤー矯正を併用することがあります。

・治療計画が思い通りに進まず、修正や追加治療を行う場合

インビザライン矯正は専用のアプリや精密機器を用い、精度の高い治療計画を立案します。しかし、何らかの原因で当初の治療計画どおりに矯正が進まなかった場合や追加治療が必要になった場合には、ワイヤー矯正を併用するケースがあります。

インビザラインで修正や追加治療が必要になる代表的なケースは「奥歯の沈み込み」です。インビザラインはマウスピースの厚みによって奥歯の沈み込みが起きてしまうことがあります。

奥歯の沈み込みが発生し、インビザラインのみでは対応ができない場合には、ワイヤー矯正を一時的に併用して奥歯を引っ張り出し、矯正を進めます。

■インビザラインとワイヤー矯正を併用する場合の治療の流れ・治療内容

ワイヤー矯正の併用の仕方はさまざま

インビザラインとワイヤー矯正を併用する場合、症例によって治療の流れが異なります。

最初にワイヤー矯正で歯を大きく動かしたあと、インビザラインで微調整を行う方法のほか、マウスピースを一部だけ切り取り、切り取った部分にワイヤー装置を着けて矯正を進めるやり方もあります(インビザラインとワイヤー矯正の同時進行)。

修正・追加を行う場合の治療内容

インビザラインで修正や追加治療を行う場合、修正内容や追加治療の内容に合わせて再度、お口の中をスキャンします。再スキャンで採取した歯型をもとに追加のマウスピースを発注し、追加分の新しいマウスピースで治療を進めていきます。

【理想の歯並びを手に入れるために】

インビザラインをご希望され治療を始めたものの、ワイヤー矯正が必要になった場合は「ワイヤー矯正が嫌だからインビザラインにしたのに…」と感じてしまうかもしれません。

インビザラインのみでは効率的に矯正を進められない場合には、患者様のご同意を得た上でワイヤー矯正を併用することがあります。治療に必要なものですので、なにとぞ、ご理解をいただければと思います。

アイリーデンタルクリニックでは、患者様がお望みになる「理想の歯並び」を得るために、歯科医師が最善の治療方法をご提案させていただきます。

インビザラインをご検討されている方やご自身の歯並びがインビザラインのみで治せるか知りたい方は、無料カウンセリングにてお気軽にご相談ください。

アイリーデンタルクリニック
歯科医師
⇒理事長の経歴はこちら