マウスピース矯正の「インビザライン」の治療中に、マウスピースが割れた、変形してしまったといったトラブルが起きることもあります。
矯正中のマウスピースは少しの破損や変形でも治療の進行に影響する可能性があるため、正しい対処が大切です。
ここでは、インビザラインのマウスピースが割れたり変形したりする原因と、そのときにどう対応すべきかを詳しく解説します。
目次
■マウスピースが割れたり変形したりする原因
◎強い力が加わった場合
インビザラインは丈夫なプラスチック素材で作られていますが、強い力を加えると割れたり変形したりすることがあります。
例えば、装着や取り外しの際に片側だけを強く引っ張る、噛んで入れるなどで、力がかかると壊れやすくなります。
◎食事中の使用
インビザラインのマウスピースは基本的に食事中に外す必要があります。
硬い食べ物や熱い飲み物をマウスピースを装着したまま口にすると、圧力や熱によって変形につながることがあります。
◎歯ぎしり、食いしばり
歯ぎしりや強い食いしばりの癖がある方は、睡眠中の強い力で、ヒビや欠けが生じやすくなります。
睡眠時の歯ぎしり、食いしばりは、起きている時の何倍もの力がかかるといわれているため、注意が必要です。
◎経年劣化
1枚のマウスピースは通常1週間〜2週間で交換しますが、指定された期間を超えて使い続けると劣化で壊れやすくなります。
長い期間使用できるものではない、ということを知っておきましょう。
■マウスピース矯正でトラブルが起きた時の対処法
◎小さな欠けの場合
マウスピースの一部に小さな欠けがあるくらいなら、そのまま使用できる場合もあります。
ただし、自己判断せず、必ず歯科医院に相談してから使用するようにしましょう。
◎大きく割れた、壊れた場合
完全に割れてしまったり大きく欠損したりする場合は、そのままそのマウスピースを使用するとお口の中のケガや、歯に矯正力がかからず、後戻りしてしまう可能性も。
この場合は1つ前のマウスピースを一時的に使い、早めに歯科医院へ連絡してください。
前のマウスピースを持っていない場合は、装着を中断せざるを得ないこともあるため、特に早く歯科医院の指示を仰ぐことが大切です。
◎変形して歯に合わなくなった場合
高温にさらすなどして変形したケースでは、無理に使い続けると歯の動きが計画とずれてしまいます。この場合も自己判断せず、できるだけ早く歯科医院に相談することが重要です。
■マウスピース矯正中のトラブルを防ぐための予防策
◎取り外しは正しい方法で
両端から均等に外すようにし、片側だけに力をかけないようにしましょう。
リムーバーを使用するのも有効です。
◎食事や水以外の飲み物を飲む際は外す
インビザラインをつけたまま食事をするのは避け、必ず外してから食べたり飲んだりしましょう。また、水以外の飲み物もマウスピースの着色や、温度による変形の原因になるため注意が必要です。
◎清掃と保管は適切に
マウスピースを洗浄する際は、熱湯やアルコールを使うと変形してしまうことがあります。
中性洗剤やぬるま湯を洗浄し、直射日光や高温の場所を避け、専用ケースで保管しましょう。
◎歯ぎしりのある人は要注意
歯ぎしりは寝ている間に無意識におこることが多く、マウスピースの破損リスクが高くなります。マウスピースの状態を定期的にチェックし、必要に応じてナイトガードを併用することもあります。
【マウスピースの割れ、変形などは基本的にすぐ歯科医院に相談を】
インビザラインのマウスピースは強度のある素材でできていますが、使い方や日常生活の習慣によって、割れた、変形したといったトラブルが起こることがあります。
万一ヒビや欠けが見つかった場合は、自己判断で使い続けず、歯科医院に相談してください。
また、正しい使い方や保管方法を心がけることで、トラブルを予防しながら治療を進められます。インビザラインで矯正を成功させるためには、マウスピースそのものを大切に扱うことが大前提です。