「話すときに聞き返されることが多い」「サ行やタ行がうまく言えない」など、滑舌に悩みを抱えている方は少なくありません。
実は、その原因が歯並びや噛み合わせにあるケースがあることをご存じでしょうか?
この記事では、滑舌と歯並びの関係、そして発音に影響を与えやすい歯並びの種類や、その原因について詳しく解説します。
目次
■滑舌と歯並びにはどんな関係がある?
◎滑舌とは
滑舌とは言葉をはっきりと、明瞭に発音することです。
発音には、舌や唇、喉の動きに加えて、歯や口の形状も大きく関係しています。
特に日本語では、舌と歯の位置関係で発音に影響する音が多いのが特徴です。
歯並びによって舌の動きが制限されたり、空気の通り道が変わってしまったりすると、滑舌に影響が出る場合があります。
たとえば、下の顎が出ていたり、歯と歯の間に隙間があると、空気がもれて「スーッ」と抜けた音になることもあります。
■滑舌に影響しやすい歯並びのタイプとは?
◎出っ歯(上顎前突:じょうがくぜんとつ)
前歯が前方に出ている「出っ歯」は、サ行やタ行、特に「ス」「セ」「ソ」のような音が不明瞭になりやすい傾向があります。
舌の位置が不安定になることで、空気がコントロールしにくくなり、息が漏れるような発音になりやすくなります。
◎開咬(かいこう)
奥歯を噛んだ時に上下の前歯が噛み合わず、前歯の間にすき間がある状態を開咬といいます。
この場合、舌が前に出やすくなり、サ行・タ行・ラ行などの発音が特に苦手になるケースが見られます。
◎すきっ歯(空隙歯列:くうげきしれつ)
歯と歯の間にすき間があると、空気が抜けやすくなり、発音が不明瞭になることがあります。
とくに英語の「S」や「F」のような摩擦音は、すき間によって乱れやすく、言葉がくぐもって聞こえることがあります。
◎受け口(反対咬合:はんたいこうごう)
下の歯が上の歯よりも前に出ている受け口の場合、サ行やザ行の発音が不自然になることがあります。
これは舌の動きや下顎の動きが制限されることで、正しい発音位置をとれないことが原因です。
■滑舌の悪さは大人でも改善できる?
◎大人でも改善可能
滑舌は大人でも改善できるケースは多くあります。
特に歯並びや噛み合わせが原因である場合、矯正治療を行うことで発音が良くなる可能性があります。
また、舌の筋肉を鍛えるトレーニング(MFT=口腔筋機能療法)と併用することで、滑舌だけでなく飲み込みや呼吸も改善されることがあります。
■歯並びが原因の滑舌の悪さ、放置するとどうなる?
◎コミュニケーションに問題が出ることも
滑舌の問題を放置してしまうと、人とのコミュニケーションに不安を感じたり、自信をなくしてしまう方もいらっしゃいます。
また、口呼吸や舌癖が続くことで歯並びがさらに悪化するという悪循環に陥ることもあります。
◎対面の仕事などで問題になる
就職活動や面接、営業・接客業など、人と話す機会が多い方にとっては、滑舌は印象を左右する大切な要素です。
気になる方は早めに歯科医院や矯正専門医に相談することで解決の糸口が見つかるかもしれません。
【滑舌の悩みは歯並びが関係しているかも?】
滑舌が悪い原因はさまざまありますが、その中に歯並びの影響が隠れていることは少なくありません。
特に、出っ歯・開咬・受け口・すきっ歯などの歯並びに当てはまる方は、歯と舌の位置関係が発音に影響している可能性があります。
もし「発音がはっきりしない」「聞き返されることが多い」と感じているなら、一度歯科で相談してみてはいかがでしょうか。
歯並びを整えることが、見た目だけでなく、話し方や伝え方の自信にもつながるかもしれません。